Works

テンペラ画

ワークス_テンペラ画

テンペラの語源はイタリア語のtemperare(テンペラーレ)で、[練る混ぜ合わせる]の意味です。
そのままでは乾いた顔料が剥がれてしまう石膏や金箔の上に色を定着させるため、顔料に接合材を混ぜ合わせることが技法や絵画自体の呼び方に変わりました。

なかでも代表的な接合材にを利用したテンペラ技法を卵テンペラといいます。13世紀から、ルネッサンス期にいたるまで西洋の絵画で広く行われてきた卵テンペラには、油彩画のような黄変や暗変など、経年による劣化が少ないという優れた特徴があります。

その後テンペラは油絵の具の普及とともに次第に忘れ去られていきましたが、油彩でも水彩でもない柔らかい絵肌を持ち、金箔刻印やラピスラズリの青のような高価な顔料を使って作りだされた絢爛で表現豊かな色彩世界は、今日でも色あせることのなく当時のままの華麗さを放っています。

金箔刻印

ワークス_金箔刻印

私のテンペラでは木の板の上にボローニャ石膏を薄く塗り、乾いたら平らに削りまた薄く塗り、乾いたら平らに削りを繰り返して15層ほど塗り重ねます。石膏の上には背景として金箔を張り瑪瑙石で磨きます。
石膏に厚みがあるため、また石膏に張り付いた金箔は伸び縮みするため刻印による立体的な作品表現ができます。

絵具は海外からも取り寄せる粉末の顔料で、卵黄にお酢を混ぜたものを溶剤として描きます。卵黄は顔料をつけるための接着剤であるため、普通のスーパーの卵でも利用することはできますが、卵黄の持つ黄色が極力少ないものを国内から取り寄せて使っています。

左の写真はテンペラ画の地となる金箔に刻印する主な道具です。

技法追及

ワークス_超絶技法

超絶技法と言える技術をめざして研鑽の日々です。